中古車は年式と走行距離のどちらを優先する?年数で上がる費用と距離で傷む部品の見方
この記事の要点
- 税の費用を決めるのは年数。初度登録から13年を超えると自動車税(ガソリン車など)は概ね15%重課、重量税は13年・18年経過で上がる。1.5t以下の普通車なら重量税は13年経過で年4,800円、18年経過でさらに年1,800円増える(2年分の実額差÷2)
- 走行距離に法律上の区切りはない。距離で減るのはタイヤやブレーキパッドなどの消耗部品で、交換時期は車種ごとにメーカーが指定している。使われ方は自家用・営業用・レンタカーなどの表示で一部わかる
- 距離の目安は統計で見る。日本自動車工業会の2025年度調査では乗用車の月間走行距離の平均は345km(12倍で約4,100km)で、6割は月300km以下。年間の距離は使われ方で大きく違うので、年数あたりの距離ではなく記録で状態を見る
- 買うときは、①予算内で13年・18年の境目までの年数②記録(定期点検整備記録簿、走行距離計の取替え・疑義の表示)③距離の順に見る。現車・整備記録・保証内容の確認は省かない
年数で決まる費用:13年・18年の境目
自動車税と重量税は距離ではなく年数で変わります。東京都主税局によると、自動車税はガソリン車・LPG車で初度登録から13年を超えると概ね15%重課です。重量税は、国土交通省の税額表で13年経過・18年経過の区分があり、登録車は初度登録年月から12年10か月以後に車検証の交付を受けると13年経過として扱われます。
年あたりの差は、2年車検の税額表の実額差を2で割って出しています。購入を検討する車があと何年で境目に入るか、乗る予定の年数と重ねて見ます。
| 区分(2026年度) | 13年未満 | 13年経過 | 18年経過 | 年あたりの増え方 |
|---|---|---|---|---|
| 重量税(普通車・1.5t以下・継続検査2年・エコカー減税対象外) | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 | 13年経過で+4,800円、18年経過でさらに+1,800円 |
| 重量税(軽・継続検査2年・エコカー減税対象外) | 6,600円 | 8,200円 | 8,800円 | 13年経過で+800円、18年経過でさらに+300円 |
| 軽自動車税(2015年4月以降初度検査) | 10,800円/年 | 12,900円/年 | 同左 | 13年経過で+2,100円 |
| 自動車税(ガソリン車・LPG車) | 排気量ごとの税額 | 概ね15%重課 | 同左 | 排気量と登録時期で異なる |
距離と使われ方で傷む部分
走行距離に法律上の区切りはなく、車検も税も距離では決まりません。距離が効いてくるのは、走るほど減るタイヤやブレーキパッドなどの消耗部品と、メーカーが走行距離や年数を目安に交換時期を指定している部品です。指定は車種ごとに違うため、取扱説明書やメンテナンスノートで確かめます。
国土交通省は、マイカーの日常点検は走行距離や運行時の状態から判断した時期に、定期点検は1年ごとに29項目、2年ごとに計60項目を行うとしています。使われ方は、販売店が表示する自家用・営業用・レンタカー・その他(教習車など)の別で一部がわかります(自動車公正取引協議会の規約)。
距離の目安は統計で見る:月345km(日本自動車工業会)
日本自動車工業会の「2025年度 乗用車市場動向調査」では、乗用車の月間走行距離の平均は345kmで、「〜300km」が61%を占めます。平日1日の平均は17km、休日は24kmです。平均は多く走る一部の車に引き上げられており、半数以上の車は平均より少なく走っています。
よく使われる「年1万km」を裏づける公的な統計は、この記事では確認できなかったため使いません。下の表は月345kmで単純に計算した距離です。年式に対して距離が多い・少ないを見る目安にとどめ、多い車でも記録がそろっていれば候補に残します。
| 経過年数 | 月345kmで計算した距離(約) |
|---|---|
| 3年 | 1.2万km |
| 5年 | 2.1万km |
| 7年 | 2.9万km |
| 10年 | 4.1万km |
| 13年 | 5.4万km |
記録で確かめる:点検整備記録簿と走行距離の表示
自動車公正取引協議会の規約では、販売店は展示する中古車に走行距離、前使用者の点検整備記録簿の有無、定期点検整備実施の有無などを表示します。記録簿の「有」は、展示時点から遡って2年以内に定期点検整備が行われ、記録簿が車に備え付けられている場合です。
走行距離は走行距離計の数字を表示し、距離計を取り替えた車は取替え前後のキロ数、距離に疑いがある車は「?」と推定キロ数(推定できなければ「不明」)、改ざんされた車はその旨を表示します。販売店は走行距離に関する書類を備えている旨も示します。表示と記録簿の数字がつながるかを確かめます。
買うときの優先順位
年式と距離のどちらか一方で決めるより、費用・記録・距離の順に見るほうが判断の材料がそろいます。年数は税と車検の費用に直結し、記録は距離の数字の裏づけと、消耗部品がいつ交換されたかを示します。距離はその上で、同じ年式の中で比べる材料にします。
候補が絞れたら、現車を見て、整備記録と保証の範囲(期間・走行距離・対象部分)を書面で確認します。中古車は1台ごとに状態が違うため、表の順番は目安で、個体ごとに判断してください。
| 順番 | 見ること | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 初度登録年月と、乗る予定の年数で13年・18年の境目に入るか | 税と車検の費用が年数で決まる |
| 2 | 点検整備記録簿の有無と、交換部品の記録 | 距離の数字と消耗部品の交換を裏づける |
| 3 | 走行距離と取替え・疑義の表示 | 同じ年式の中で比べる |
| 4 | 保証の有無と範囲、修復歴の表示 | 買った後の修理費の負担が変わる |
よくある質問
- Q. 同じ価格なら、新しい年式で距離が多い車と、古い年式で距離が少ない車のどちらがいいですか?
- A. 一概には言えません。古い年式の車は13年・18年の境目で税が上がる時期が早く来ます。距離が多い車は、記録簿で消耗部品の交換がわかるかを見ます。乗る予定の年数の費用と記録の有無で比べ、現車を確認して判断してください。
- Q. 距離が少ないのに点検整備記録簿がない車は避けたほうがいいですか?
- A. 候補から外す判断材料になります。規約では、販売店は記録簿の有無と走行距離を表示し、距離に疑いがある車はその旨を表示します。記録がない理由と、距離を確かめた書類の有無を販売店にたずねてください。
- Q. 年式はどこで確認できますか?
- A. 販売店は展示する中古車に初度登録年月(軽自動車は初度検査年)を表示することになっています(自動車公正取引協議会の規約)。車検証でも確認できます。13年経過の数え方は税によって違うため、重量税は国土交通省の税額表の注記で確かめます。
出典(確認日)
- 東京都主税局「自動車税」Q&A(抹消登録の翌月から月割減額・4月1日現在の所有者に課税・重課)(2026-10-14 確認)
- 国土交通省「2026年5月1日からの自動車重量税の税額表(継続検査等)」(13年・18年経過の数え方を含む)(2026-10-14 確認)
- 練馬区「軽自動車税(種別割)の税額」(令和8年度・13年経過)(2026-10-14 確認)
- 日本自動車工業会「2025年度 乗用車市場動向調査」(2026年3月、p.16 月間走行距離)(2026-10-14 確認)
- 国土交通省「点検整備の種類」(2026-10-14 確認)
- 自動車公正取引協議会「自動車公正競争規約集 2025年4月」(規約第11条 必要な表示事項、中古車に関する施行規則 第6〜12条、中古自動車保証書作成要領)(2026-10-14 確認)